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財産目録はなぜ必要?相続で困らないための作り方・記載項目・記載例をわかりやすく解説

「相続のことは気になるけれど、何から始めればいいかわからない」
「自分に万一のことがあったとき、家族に手続きの負担をかけたくない」
そう感じている方に、まずおすすめしたいのが財産目録の作成です。

財産目録は、預貯金や不動産だけでなく、保険、有価証券、借入金、デジタル資産までを一覧にした“相続の地図”のようなものです。これがあるだけで、相続人が財産の全体像を把握しやすくなり、遺産分割や名義変更、相続税申告の準備がぐっと進めやすくなります。

国税庁が公表した令和6年分 相続税の申告事績の概要によると、相続税の申告書の提出に係る被相続人数は166,730人、課税割合は10.4%でした。また、令和6事務年度における相続税の調査等の状況では、簡易な接触件数21,969件、申告漏れ等の非違件数5,796件、追徴税額合計138億円とされており、相続財産の把握や記録の重要性がうかがえます。
※出典: 国税庁:令和6年分 相続税の申告事績の概要, 国税庁:令和6事務年度における相続税の調査等の状況

この記事では、財産目録作成の必要性、記載すべき項目、必要書類、作り方、記載例、注意点を、専門用語もかみくだきながらわかりやすく解説します。札幌をはじめ北海道全域、さらに金沢・富山など北陸エリアで相続準備を考えている方にも役立つ内容です。

目次
  1. 財産目録とは何か
  2. 財産目録が相続で重要になる理由
  3. 財産目録に記載すべき主な項目
  4. 財産目録を作る前に集めたい必要書類
  5. 財産目録の作り方【基本ステップ】
  6. 財産目録の記載例
  7. 財産目録を作るときの注意点
  8. どんな人ほど財産目録を作るべきか
  9. 専門家に相談したほうがよいケース
  10. 迷ったときに確認したいチェックポイント
  11. まとめ

財産目録とは何か

財産目録とは、自分が持っている財産と負債を一覧で整理した書類です。
「財産」と聞くと預金や不動産を思い浮かべる方が多いですが、実際には生命保険、株式、投資信託、貸付金、未収入金、会員権、暗号資産なども確認対象になります。さらに、住宅ローンや未払金、未払税金などのマイナスの財産も重要です。

相続の場面では、財産目録があることで「何があるのか」「どこにあるのか」「誰名義か」が把握しやすくなります。これは単なるメモではなく、相続手続き・遺産分割協議・相続税申告のスタート地点になる実務的な資料です。

財産目録が相続で重要になる理由

相続人全員が同じ情報を共有しやすくなる

相続でもめる原因は、財産の多い少ないだけではありません。
実際には、誰がどの情報を知っているかという情報格差が、感情的な対立につながることが少なくありません。

たとえば、ある相続人だけが特定の預金口座や不動産の存在を知っていると、ほかの相続人は「隠しているのではないか」と不信感を抱きやすくなります。財産目録を作っておけば、遺産の全体像を見える化しやすくなり、遺産分割協議を同じ土台で進めやすくなります。

相続手続きや相続税申告の漏れを防ぎやすい

相続手続きでは、銀行口座の解約・名義変更、不動産の相続登記、保険金請求、証券口座の移管など、想像以上に多くの確認事項があります。
財産目録がないと、どの金融機関に連絡すべきか、どの不動産が対象かを把握するだけで時間がかかってしまいます。

特に相続税が関わる場合は、最初の財産の洗い出しの精度がとても重要です。あとから財産の記載漏れが見つくと、申告の修正や説明の負担が増えるおそれがあります。

家族への思いやりとして機能する

財産目録は、法律用語でいえば「財産の一覧表」ですが、家族にとっては困らないための引き継ぎメモでもあります。
「通帳はあるが、どの銀行かわからない」「不動産の登記情報がわからない」「保険に加入していたか不明」といった状態では、残されたご家族の負担は大きくなります。

とくに北海道のように不動産が複数地域にまたがりやすいケースや、札幌の自宅に加えて地方の土地・空き家を持っているケース、北陸エリアの実家や収益物件が別にあるケースでは、一覧化のメリットがより大きくなります。

財産目録に記載すべき主な項目

まずは、何を載せるべきかを整理しておきましょう。財産目録は、プラスの財産マイナスの財産の両方を記載するのが基本です。

財産目録に記載する主な財産項目一覧

区分主な内容記載したい情報補足
預貯金普通預金、定期預金、積立など金融機関名、支店名、口座種別、名義、残高、確認日口座番号は全部ではなく一部記載でも可
不動産土地、建物、マンション、農地、山林、賃貸物件所在地、地番、家屋番号、持分、名義、固定資産税評価額住所表示と登記上の地番が違う場合あり
有価証券株式、投資信託、国債、社債など証券会社名、銘柄、数量、評価額、確認日上場株式は時価変動に注意
保険生命保険、医療保険、個人年金保険保険会社名、契約者、被保険者、受取人、証券番号受取人固有の権利になる場合もある
その他の財産貸付金、会員権、自動車、貴金属、暗号資産、デジタル資産内容、保管場所、名義、概算価額、確認方法デジタル資産は存在の手掛かりを残す
負債住宅ローン、借入金、未払税金、未払医療費債権者、残高、返済先、引落口座、確認日相続放棄の判断にも影響
契約関係サブスク、携帯、ネット契約、貸金庫契約先、契約内容、解約方法の手掛かり死後事務の負担軽減につながる

財産目録を作る前に集めたい必要書類

財産目録は、記憶だけで作るよりも、資料を見ながら作るほうが正確です。特に不動産や証券、保険は、思い込みで書くと後から修正が必要になりやすいため、客観的な資料を確認しながら進めるのが安心です。

財産目録作成前に確認したい資料一覧

書類・資料確認できること主な入手先・保管先
通帳・取引明細・残高証明預貯金口座の存在、残高、支店情報自宅保管、金融機関
固定資産税納税通知書不動産の所在地、評価額、課税状況市区町村からの通知
登記事項証明書地番、家屋番号、持分、名義法務局
証券会社の取引報告書株式・投資信託等の内容証券会社、郵送書類、アプリ
保険証券契約内容、受取人、保険会社自宅保管、保険会社
借入返済予定表ローンや借入金の残高金融機関
年金関係書類年金種別、手続きの手掛かり日本年金機構、勤務先
スマホ・PC・パスワード管理の手掛かりネット銀行、電子マネー、暗号資産、サブスク本人管理資料、デジタルメモ

デジタル資産は「存在の手掛かり」を残すのがポイント

近年は、ネット銀行、証券アプリ、電子マネー、ポイント、暗号資産など、紙では見えにくい財産が増えています。
ただし、セキュリティの観点から、財産目録そのものにすべてのID・パスワードを書き込むのは慎重であるべきです。

その代わりに、どのサービスを利用しているか、関連資料がどこにあるかを記録しておくと、相続人が手続きを進めやすくなります。これは相続だけでなく、死後事務や任意後見の準備でも役立ちます。

財産目録の作り方【基本ステップ】

1. 財産を種類ごとに分類する

最初から完璧に書こうとすると、手が止まりやすくなります。
まずは以下のように、財産を種類ごとに分けて整理しましょう。

  • 預貯金
  • 不動産
  • 有価証券
  • 保険
  • その他の財産
  • 負債
  • 契約関係・デジタル資産

分類が決まると、抜け漏れを点検しやすくなります。

2. 名義・所在・確認日を記載する

財産目録では、金額だけでなく、誰名義か、どこにあるか、いつ確認した情報かを残すことが大切です。
預金や株価は日々変動しますし、不動産も評価の基準が複数あります。だからこそ、「正確な最新時価を完璧に書く」よりも、確認時点の情報を明示することが実務では有効です。

3. プラスの財産だけでなく負債も記載する

相続では、借入金や未払金も含めて全体像を確認する必要があります。
プラスの財産だけを見て判断すると、後から負債が見つかり、相続放棄や限定承認の判断に影響することもあります。

4. 更新日を決めて見直す

財産目録は、一度作って終わりではありません。
口座の解約、不動産の売却、生前贈与、保険の見直しがあれば内容は変わります。年1回、誕生日や年末など見直しのタイミングを決めると管理しやすくなります。

財産目録の記載例

実際には、難しい文章を書く必要はありません。大切なのは、相続人が見て動ける情報になっているかです。

記載例1:預貯金・不動産

財産の種類記載例
預貯金○○銀行 札幌支店/普通預金/名義:本人/残高:約320万円/確認日:2026年4月1日
預貯金△△信用金庫 金沢支店/定期預金/名義:本人/残高:約150万円/確認日:2026年4月1日
不動産札幌市〇区〇条〇丁目 土地・建物/自宅/名義:本人/固定資産税評価額合計:約1,480万円
不動産富山市内の土地/相続取得不動産/持分2分の1/名義:本人/詳細は登記事項証明書参照

記載例2:保険・負債・デジタル資産

財産の種類記載例
生命保険○○生命/終身保険/契約者:本人/受取人:配偶者/証券番号:別紙保管
負債△△銀行 住宅ローン/残債:約410万円/引落口座:○○銀行札幌支店
デジタル資産ネット証券口座あり/詳細は自宅書斎のファイル・スマホアプリ参照
契約関係動画配信サービス・携帯・インターネット契約あり/契約情報は家計管理ノート参照

財産目録を作るときの注意点

財産目録だけでは遺産の分け方は決まらない

財産目録は非常に重要ですが、それ自体に「誰に何を相続させるか」を決める法的効力があるわけではありません。
もし承継先まで明確にしたい場合は、遺言書の作成もあわせて検討するのが望ましいです。

つまり、財産目録は相続対策の土台、遺言書は意思を形にする文書というイメージです。両方がそろうと、実務上の安心感が高まります。

評価額は「何を基準にした数字か」を明確にする

不動産には固定資産税評価額、路線価、査定額など複数の見方があります。
有価証券も確認日により金額が変動します。したがって、評価額を書く場合は、固定資産税評価額なのか、確認日時点の時価なのかをわかるようにしておくと誤解を防げます。

個人情報の管理方法に配慮する

財産目録には、金融機関名や保険、契約情報など、重要な個人情報が含まれます。
そのため、保管場所や共有方法は慎重に考える必要があります。たとえば、詳細情報は別紙にし、財産目録本体には概要を記載する方法も有効です。

どんな人ほど財産目録を作るべきか

不動産が複数ある方

札幌の自宅のほかに、北海道内の土地や空き家、金沢・富山の実家不動産など、地域をまたいで資産がある場合は、相続人が把握しきれないことが少なくありません。
広域に財産があると、固定資産税の通知先や登記情報、管理状況も分散しやすいため、早めの一覧化が効果的です。

事業をしている方・賃貸物件を持っている方

事業用口座、売掛金、貸付金、賃貸不動産、管理契約など、一般家庭より確認項目が増えるため、財産目録の有無で手続きの難易度が大きく変わります。

子どもや配偶者に負担をかけたくない方

「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、いざというときに困るのはご家族です。
財産目録は、残された方への思いやりとしても価値があります。相続対策は、節税だけでなく、手続きをわかりやすくしておくことも大切です。

専門家に相談したほうがよいケース

相続税の可能性があるケース

相続税がかかる可能性がある場合は、財産の評価方法や申告の要否を早めに確認しておくと安心です。
国税庁の令和6年分の公表では、相続税の申告書の提出に係る被相続人数は166,730人、課税割合は10.4%でした。税務申告が必要になるかどうかは個別事情によりますが、該当しそうな場合は初期の整理がとても重要です。
※出典: 国税庁:令和6年分 相続税の申告事績の概要

申告漏れや見落としが心配なケース

国税庁が公表した令和6事務年度の資料では、相続税に関する簡易な接触件数は21,969件、申告漏れ等の非違件数は5,796件、追徴税額合計は138億円でした。財産の記録や整理が不十分だと、後から確認や修正の負担が増える可能性があります。
※出典: 国税庁:令和6事務年度における相続税の調査等の状況

遺言・任意後見・死後事務までまとめて考えたいケース

財産目録は、遺言書、公正証書、生前贈与、任意後見、死後事務などの準備とも相性がよい資料です。
将来の不安を切れ目なく整理したい場合は、財産目録だけで終わらせず、関連制度も含めて検討するのがおすすめです。

迷ったときに確認したいチェックポイント

財産目録セルフチェック表

チェック項目はい / いいえ
預貯金口座を金融機関ごとに整理できている
不動産の所在地・名義・持分がわかる
保険の契約内容と受取人を確認している
証券口座や投資信託の有無を把握している
借入金や未払金を一覧にしている
デジタル資産やネット契約の手掛かりを残している
確認日を記載している
年1回の見直し時期を決めている

まとめ

財産目録作成は、相続で困らないための最初の一歩です。
預貯金、不動産、保険、有価証券、負債、デジタル資産まで整理しておくことで、相続人の不安を減らし、遺産分割や名義変更、相続税申告の準備を進めやすくできます。

とくに、札幌を含む北海道のように広域に財産が点在しやすいケースや、金沢・富山など北陸エリアにまたがって不動産やご実家があるケースでは、財産の一覧化が大きな安心につながります。
「何から始めればいいかわからない」という方こそ、まずは財産目録から始めてみてください。

北日本相続センターでは、財産目録の作成支援をはじめ、相続、遺言、公正証書、生前対策、任意後見、死後事務まで幅広くご相談いただけます。
初回無料相談をご活用いただき、ご家族が困らないための準備を一緒に進めていきましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。税務・法務の結論は個別事情により異なるため、具体的な手続きは専門家へご相談ください。

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